〒080-0111 北海道河東郡音更町木野大通東14-3-8 TEL/FAX:0155-30-1770

ニュース

北海道牛受精卵移植研究会平成30年度シンポジウムが札幌にて開催されました。シンポジストの全農ET研究所の浦川さんから抄録を入手しましたので、ここに紹介させていただきます。

「全農ET研究所における牛体内胚の生産について」

浦川 真実

全農ET研究所は、前身の牛ETグループ(全農飼料畜産研究所、つくば市)が、1999年1月に現在の上士幌町に移転し、当初「全農ETセンター」として開所した。その後、名称変更を経て現在に至る。主な業務は、黒毛和種およびホルスタイン種牛からの体内胚の製造および供給、ならびにホルスタイン種を中心とした受胚牛への胚移植による妊娠牛の製造および供給である。平成29年度は約25,000個の体内胚を、また約1,100頭の妊娠牛を全国に供給している。
今回は、新たに取り組み始めた農家の庭先での採卵と移植を含め、ET研究所で行なっている牛体内胚生産の取り組みについて紹介する。

 

体内胚の製造および供給

ET研究所では、約500頭の黒毛和種供胚牛を常時繋養している。平成29年度は1頭あたり年3~5回の採卵を実施している(平成29年度、平均4.1回/頭)。体内胚は、供胚牛や種雄牛の血統を考慮して遺伝病が発症しない交配を考慮すると共に、胚の洗浄、凍結、輸送など品質管理に細心の注意を払い、製造・供給している。平成29年度は、ET研究所本場(上士幌)と農家採卵(後述)を合わせて30,919個の胚を製造した。
平成11年度より供給した体内胚の推移を図1に示す。

「全農ET研究所における牛体内胚の生産について」

平成11年度より体内胚の供給数は順調に推移していたが、平成19~22年度に横ばいとなった。平成23年度より再び増加に転じて現在に至っている。

 

体内胚の移植成績

ET研究所本場(上士幌)では、ホルスタイン種を中心とした受胚牛を常時約1,000頭、繋養して、移植を実施している。また、研究所本場および分場(北日本、東日本、九州)の近隣地域では、所員が農家へ直接訪問して、受胚牛の同期化から移植まで一連の作業を行なっている。平成27~29年度において、研究所本場(上士幌)と農家の庭先において移植した成績を図2に示す。
場内(未経産牛)では70%、野外(主に経産牛)では60%の受胎率を目標に移植を実施している。

「全農ET研究所における牛体内胚の生産について」

 

供胚牛の育種改良

ET研究所では、繋養している供胚牛群の遺伝的な能力の底上げを図るために、枝肉形質に関するゲノミック評価を活用した改良を進めている。遺伝的に能力の高い牛の後代牛を増産して導入を加速させると共に、遺伝的に能力の低い牛を優先的に淘汰しながら体内胚製造を進めている。

「全農ET研究所における牛体内胚の生産について」

 

農家採卵事業

生産者、JAおよびET研究所の3者が協力して、生産者の所有する遺伝的に優良な雌牛から体内胚を製造し、全国に供給する事業を平成26年度より北海道内において、また翌年から全国各地でスタートした。農家採卵事業による胚の製造個数の推移を図3に示す。

「全農ET研究所における牛体内胚の生産について」

平成30年度より、北海道内での農家採卵業務は、グー・エンブリオ・テクノロジー株式会社(音更)と提携して、製造数の拡大を進めている。

 

農家採卵事業を活用した地域改良の促進

生産者の庭先で採取した胚を、その地域内の改良に積極的に役立ててもらうために、農家採卵日に発情を同期化した地元農家の受胚牛に移植する事業も全国で実施している。

「全農ET研究所における牛体内胚の生産について」

以上、ET研究所では、今後も遺伝的に優れた供胚牛群の造成を目指すと共に、より受胎率の高い高品質な体内胚の製造を目指す所存である。

 

略歴

1990年03月 帯広畜産大学家畜生産科修士課程修了
1990年04月 ㈱ヤクルト本社中央研究所 入社
1998年11月 全国農業協同組合連合会(JA全農) 入会
2004年12月 学位取得(医学)
2017年04月 全農ET研究所  研究開発室 室長

第45回 IETS発表抄録

Effect of feeding a licorice extract to Japanese Black cows on embryo production performance after superovulation treatment
Yoshito Aoyagi, Makoto Takeuchi, Yoshio Oono, Manami Urakawa, Masateru Koiwa

The objective was to determine the effect of feeding a licorice extract that contains glycyrrhizic acid, which is known to have a liver function-enhancing effect, on embryo production performance after superovulation treatment in Japanese Black cows. Japanese Black breed cows (n=136) that had calved 1 to 4 times and had normal uteri as seen by ultrasonography after at least 40 days from the last calving were used as test animals. Animals in the treatment group (n=90) were continuously fed 20g head / d /of a licorice extract (Kanzou, Fabric Onishi Co. Ltd., Fukuoka, Japan), with at least 13% glycyrrhizic acid content) once a day, mixed with the formula feed, for 60 to 90 days starting from around the day of calving until ova/embryos were collected. The control group (n=46) received no Kanzou from the day of the last calving until ova/embryo collection. A total of 20 Armour units (AU) of FSH (Antorin R, Kyoritsu Seiyaku Corporation, Kanagawa, Japan) from porcine pituitary was given intramuscularly (IM) twice a day, morning and evening, for 3 consecutive days (decreasing dose schedule: 5 AU×2, 3 AU×2, and 2AU×2) as the superovulation treatment to the cows at 8 to 11 days post-oestrus in both groups. Prostaglandin F2α 25mg and 15mg (IM) were administered in the morning and evening, respectively, on the third day of FSH administration. Artificial insemination was done at 12 and 24h after the start of oestrus, and ova/embryos were collected using a uterine reflux method on Day 7 post-oestrus. The mean numbers of ova/embryos and transferable embryos collected and the mean embryo quality scores (according to the IETS guidelines) in the treatment and control groups were compared by t-test. A chi-squared test was used to compare the proportion of transferable embryos in the 2 groups. There was no significant difference in the mean number of ova/embryos retrieved between the treatment group (21.7±11.8) and the control group (15.8±11.3), although the former tended (P=0.07) to yield more ova/embryos. There was significant difference (P<0.05) in the mean number of transferable embryos collected in the treatment group (13.1±8.3) than in the control group (8.1±5.3). The mean embryo quality score was significantly greater (P<0.01) in the treatment group (1.6±0.4) than in the control group (2.2±0.6). The proportion of transferable embryos in the treatment group (60.3±26.4%) was also significantly higher (P<0.05) than in the control group (51.2±26.0%). In conclusion, feeding a licorice extract to Japanese Black cows for 60 days or longer improves the quality of embryos obtained after superovulation treatment and leads to an increase in the mean number of transferable embryos per cow.

<第45回IETSブース会場>

<第45回IETSブース会場>

第45回 IETSに参加

米国ニューオリンズのIETSに参加してきました。カナダのグループが興味深い発表をしていましたので紹介させていただきます。
牛の採卵の時に、子宮を刺激しすぎるとプロスタグランデインが子宮内に浸潤し、それに感作された受精卵を移植すると受胎率が有意に低下するとのこと。ドナーの子宮を如何に刺激せずに、採卵をいかにスムーズにかつ確実に行うべきか???考えさせられる貴重な発表でした。
当社では現在、子宮を刺激せずに、短時間で確実に受精卵を回収できるバルーンカテーテルの改良と自動回収装置を東京都の下町にある複数の会社と開発中(基本特許は申請済み)です。今年中にはデビューできればと考えています(青柳敬人)。

第45回 International Embryo Technology Society:IETSに参加


第45回 International Embryo Technology Society:IETSに参加

大分畜産Net 鼓動 スキルアップ研修会に参加

大分畜産Net 鼓動(浅倉 博文会長)主催のスキルアップ研修会(平成30年12月18日:参加者120名前後)に呼んでいただき「生産現場における牛ET技術の実践」というタイトルで1時間30分ほど語らしていただきました。この会(鼓動)は生産者自らが主宰しており、大変熱気のある集まりでした。ETに関する質問もかなり細かいところまで突っ込んできて、皆さんの真剣さに本当に感銘しました。鼓動の会員の皆様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。また、浅倉会長には自家用車での大分空港と会場の送迎までしていただき本当にありがとうございました。

大分畜産Net 鼓動 スキルアップ研修会に参加

獣医科5年生が当社の研修プログラムに参加

酪農学園大学獣医学科5年生の小原千佳さんが当社の繁殖技術研修に参加してくれました。
明るく、前向きな学生さんで、採卵・検卵・ETおよび受精卵の凍結保存等、積極的に助手をしていただきました。
この日は北空知ETステーション(深川市)にて、11頭の供卵牛から採卵し、110個の正常受精卵を回収、39頭の現地受卵牛へのET、富良野市酪農家での乳牛経産牛へのET(5頭)や受精卵の凍結保存等を実施しました。
本人曰く、「大学では学べない実践的な貴重な体験ができました。是非、次回も研修に参加させてください」とのこと。
体内採卵ができる獣医師が少ない中、牛ET技術に興味や関心を持ってくれて、大変うれしく思います。

獣医科5年生が当社の研修プログラムに参加

JAふらの酪農・肉牛研究会開催

ふらの農協酪農部会主催(当社および神協産業協賛)にて酪農・肉牛研修会を開催しました。

講師は小岩政照酪農学園大学名誉教授(グーエンブリオテクノロジー株式会社顧問)で、「牛の健康」に関する話題について、生産者目線でとても解かりやすい講演をしていただきました。
生産者にとっても目から鱗の話が多く含まれており、大変好評でした。
来年度も是非、別メニュー(マイコトキシン対策等について)で開催して欲しいとの要望をいただきました。今回の研修会が少しでも現場の生産性向上に繋がれば幸いです。

JAふらの酪農・肉牛研究会開催

CONTACTお問い合わせ

当社では受精卵移植(ET)技術を活用し、
畜産・酪農農家へ国内における優良な乳牛ならびに優良和牛の確保・改良に寄与しています。
お問い合わせなどがございましたら、お電話やメールフォームよりお受けしています。
お気軽にお問い合わせください。

TEL 01564-7-7177 
FAX 01564-7-7178

〒080-1200 北海道河東郡士幌町字士幌東7線132番地2